TIC TAC

コラム&特集

COLMUN&FEATURE

連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」 #022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

この腕時計は、ISSEY MIYAKE U。イッセイミヤケが総合ディレクションする腕時計のシリーズは2001年からスタート。デザイン界でグローバルに活躍するデザイナーとセイコーウオッチのコラボレーションを通じ、独自のデザインウォッチを発信し続けています。本作はその19番目のモデルです。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

ISSEY MIYAKE Uをデザインしたのは、カー&プロダクトデザイナーの和田智さん。日産からアウディに転籍し、名作A5クーペのエクステリアをデザインするなどしてカーデザインの世界でその名を知られ2010年に独立。現在は自動車のみならず各種のプロダクトを手がけるご本人が渋谷パルコに来店されたので、本作に込めた思いをお聞きすることができました。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

イキナリですが、この側面からの表情が独特です。腕時計のデザイナーがあまりやらないような断面形状ですよね。カーデザイナー(=造形家)である和田さんの、フォルムに対する繊細な感受性がカタチになって現れていると思います。絞り込まれたボディは鏡面仕上げで、アルミホイールやエンジンのピストンを想起させてくれます。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

カーデザインの要諦とはリフレクション(反射)なのだと和田さんは語ります。車のボディに建築物や照明など様々な要素が映り込み、その反射がクルマの形状となって現れ、街の光景そのものになっていく。いろんな角度に振っていくと、いろんなリフレクションが起きる。それを腕時計という限られた世界の中で挑戦してみたのだそうです。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

文字盤を覆うガラスの表情も、角度によって変わっていきます。縁に向かって緩やかな曲面で研削されているけれど、文字盤の視認性に関わる大きな面積は平面に仕上げられています。コップになみなみと注がれた水が、表面張力でギリギリ溢れず均衡を保っているようなイメージ。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

よーく観察すると見えてくるのですが、平面のように見える文字盤の縁は、ごくわずかに逆アールのディンプル構造になっているんですね。ガラス面のアールと対称をなす形状にすることで、わずか数ミリのクリアランスの中に面体としての情緒感を作り出しています。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

この裏蓋のディテールに反応できた方は、かなりのカーマニアもしくはアウディ伝説のモデル、初代TTのオーナーなのではないでしょうか? もちろんそれほどクルマのデザインに詳しくなくても、6本のマイナスネジで固定された裏蓋の表情にメカニカルな美学が感じ取れると思います。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

コの字形をしたラグのパーツは、裏蓋に結合しているのもユニーク。これはボディの側面をぐるりと鏡面仕上げで加工する際に工程をシンプルにする役割も果たしているとのこと。まずシェイプありきではなく、どのように作られるかを常に意識することこそ、プロダクトデザインの真骨頂なのです。

#022 ISSEY MIYAKE Uに込められたプロダクトデザイナーの思いとは?

カーフの革バンドのモデルと同様に、メタルバンドもブラックとホワイトをラインナップ。いずれも文字盤には時計の出現と同時に使われてきたであろう伝統的なローマ数字が採用され、シンプルで自然なフォルムとの組み合わせで端正な印象です。外径41ミリとやや大柄ですが厚みがないので装着感も良く、男女問わず気持ちよく使えると思います。


-----------------------------------------------


ISSEY MIYAKE U ¥36,000+tax~¥44,000+tax税 TiCTACオンラインストアでお求めいただけます。>>>ONLINE STORE

  • Category: 連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」