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連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」 #017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS

#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
※本記事は2018年8月時点での内容です。
 
この腕時計は、ドイツのSTOWAというブランドの限定モデル。アンテアシリーズのバウハウス100周年記念モデルです。そんなわけで今回は100年ほど前に花開いたモダニズム写真の雰囲気を目指して、モノクロのイメージカットでスタートしてみました。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
本作は、機械式の自動巻きムーブメントを搭載した3針の腕時計です。裏面のサファイアガラスを透かして見えるハンドメイドのローターにはドイツ語で『バウハウス100周年 ストーヴァ限定 第2弾』と記され、エディションナンバーの分母は30。日本市場だけに30本がデリバリーされるものなのです。ところでバウハウスって何なのでしょうか。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
バウハウスは、1919年にドイツで開校した工芸とデザインの教育機関。教師と学生がともに模索し、全く新しいデザインによって人々の暮らしを変えていくことを目指し、後世に大きな影響を与えました。このDVDは、バウハウスの成果の一つとして1925年に始動した、フランクフルトに新しい住宅を供給するプロジェクトを記録したもの。トロッケン・モンタージュ・バウ(乾式組立構造)というプレハブ工法の先駆けでした。バウハウスは建築を頂点として、人々の生活に関わる全てのものをデザインの対象としていました。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
バウハウス運動は、最小限の要素で最高の機能を果たすという信条を掲げていました。過剰な装飾を避け、本質的なデザインを見極めること。このようなモダニズムの根底に流れる思想に共感して生み出されたのが、この記念モデルという次第です。先ほどのローターの刻印に第2弾とありましたが、実は昨年末に第1弾が30本限定で出ていたのです。ではその違いはどこに?
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
第1弾ではインデックスの表記がローマ数字だったのですが、日本のユーザーからの『アラビア数字モデルが欲しい!』という熱い要望を受け第2弾が企画されることになったのです。ブルースチール仕上げの3本の針と、文字盤の6箇所に記された長体のかかったアラビア数字のバランスが絶妙。これ以上何か要素を増やすと、この凛とした雰囲気は保てない気がします。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
インデックスのデザインだけでなく、リュウズやラグも1930年代のバウハウスデザインに影響を受けた腕時計の持つ雰囲気を再現しつつ、極めて上質な仕上げが施してあります。シンプルであればあるほど、作り手の力量が見えてくるのは腕時計も料理も同じですね。いろいろな腕時計を知っている人ほど、この仕上げの良さがわかると思います。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
ドイツから直輸入される本作は、こんな特製ボックスに入った状態でユーザーの元に届けられます。ストーヴァのロゴ下にあるドイツ語のブランドスローガンは、日本語にすると“真・善・美”という感じでしょうか。この腕時計をすると、なんだか背筋が伸びる気がします。ちなみにケース外径は36.5ミリで大きすぎず、装着した雰囲気は“趣味のいい人”そのものですね。
#017 STOWA バウハウス100周年記念 ANTEA 100 jahre BAUHAUS
とにかく仕上げが素晴らしい。可能であれば、ぜひ肉眼でご覧になり手にとって質感を確かめていただきたい1本です。
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