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連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」 #009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

この腕時計は、セイコーPresageシリーズの新作でメカニカル自動巻のムーブメントを使用したアナログ式。すなわち前回ご紹介したドイツのSTOWA と同じカテゴリーですが、本作はメイド・イン・ジャパン。文字盤の表面には細かい加工が施してあり、微妙な陰影が感じられます。

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

この独特なデザインは、日本庭園にインスピレーションを得たもの。枯山水の砂紋を、ギューッとダウンサイジングして直径数センチの文字盤の上に再現してみるとどうなるのか? 規則的な立体模様のダイヤルは、そんなひらめきをカタチにしたものなのだそうです。

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

はい、改めて文字盤をクローズアップで見てみましょう。かなり細かい加工がしてあります。表面のパターンをよく観察すれば杉綾とハシゴみたいな柄の組み合わせ。これが普通に時刻を確認する距離で腕時計を見ると、繊細な陰影のニュアンスとして感じられるのです。24時間針に寄り添うように開けられた丸窓からは、機械式時計の心臓部であるテンプの動きが見える仕立て。

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

日本の伝統建築で超クールと評価されている様式は色々ありますが、茶室などに見られる丸窓もその一つ。そこにあるだけの庭の景色が、丸いフレームを通して見ることで全く違ったものとして認識される。このように人間の視線と感覚を再構築する仕組みを考えつくって、やっぱり昔の日本人はクールです。

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

この腕時計の裏側はシースルーになっているので、自動巻のローターが動く様子を愛でられます。それに加え、文字盤に丸窓があるから可能になる裏技を思いつきました。裏蓋に目をググッと近づけていくと、腕時計の機械越しに世の中を見ることができるんです。要するに、超ミニチュア版の丸窓ですね。

#009 “見立ての美学”を身につける セイコーPRESAGE

腕時計に設けられた、丸窓に見立てた穴を通して世界を観察する。これは新鮮な視覚体験です。でも、腕時計の裏蓋に目を押し当てているのは明らかに変な仕草ですから、周囲に誰かがいるときはオススメしません。普段は文字盤側からテンプの動きを眺め、時おり裏蓋側から機械全体の様子を眺め、そして気が向いたら普通の腕時計にはできない裏技も楽しめる。そんな腕時計なのです。


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