TIC TAC

オトコの腕時計、ここにあり。

男前コラム 05.
これはアプリではなく、機能である。
ファンクションウォッチ

Photo & Text:Gandhara Inoue

いまさらですが、スマホって便利ですよね。たいがいのことはスマホのアプリで事足りる。でも何だか物足りない感じがするのは、アプリってソフトウエアだからなのではないでしょうか。容量いっぱいアプリをインストールしたからといって、スマホの見た目がパンパンに膨らむこともない。物足りなさの原因は、そこです。やっぱり、何らかのモノとして存在していることって重要なんだなと思います。

Function  © Gandhara Inoue

Function © Gandhara Inoue

このビジュアルを見ると不思議な充足感がありますよね。特に男子には響くところがあるのではないでしょうか。ひとつひとつ飛び出したツールには、それぞれの役割すなわち機能がある。それがビッチリと高密度に収められている。まさに“物足りない状態“の真逆のようなモノなのです。

このトキメキと同じような気分を味わえるのが、ファンクションウォッチです。腕時計という限られたスペースの中に、さまざまな機能が凝縮された姿に萌える。計測して表示できるのは経過時間だけじゃなく、機種にもよるけれど気圧に水圧、磁気や温度など何だか凄いことになっている。ボタンを押せば即座に起動するダイレクトな操作感覚も気持ちいい。

そのすべての機能を使いこなすかどうかは別にして、たっぷり満載された機能が物理的に丸見えになっている腕時計ってカッコイイ。この過剰さは、女子が凝りまくって仕上げた自慢のネイルと同じレベルでクールだと思います。

ガンダーラ井上
ライター
ガンダーラ井上

1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。

男前WATCH 05.
ファンクションウォッチ

あれもスマホ、これもスマホで済ませていいのか? いや断じてそんなコトはない!何ができるか機能が丸見えのファンクションウォッチは、男気が凝縮されたマイクロサイズのコックピット。いかに操るかは、アナタの腕にかかってます。